シンプルで届くことば。悩めるアラサー女子に響いた広告コピー

こんにちは。明日のライターゼミ1期生、アラサー女子のカヨです。
常日頃、ことばと向かい合いながら、広告コピーを書いています。ことばを選ぶことは難しい、だからこそ奥が深いのだと思います。

そして、ことばを選ぶ時に大切なのが、人(消費者)の気持ちを研究することです。ターゲットが自分の世代だったら自分自身に問いただしてみることはもちろん、まわりの色々な人に聞くことも有効です。広告コピーに限らず、誰かに伝えたい! という文章を書く時にはきっとこの「人(読者)の気持ちを知る」、ということが強い味方になるでしょう。

今回は、「アラサー女子」という等身大のわたし目線で日々モヤモヤと思うこと、そして、その気持ちに「響いた! 」と思う広告コピーをお伝えしたいと思います。

アラサー女子のモヤモヤとは?

仕事。結婚。妊娠。出産。育児。年を重ねるごとに考えなければいけないこと、選択を迫られる場面がたくさんあります。

キャリアを考えると結婚が遠のいたり、とはいえ、結婚を焦ってもうまくいかなかったり。そして、周りから遅れをとっている自分に気づき、焦り、もがく。

みなさんも、もしくはみなさんの周りにも、こんな悩みを持っている人がいるのではないでしょうか?

坂道を転がるように、焦りが加速する。見えないプレッシャーに負けそうになる。そんななか、その時間軸と相反する感情を持っている人は少なくないと思います。

それは、「自由に生きたい」という気持ち。でも・・・

いろいろなネガティブな気持ちの要素がそれを邪魔していると思います。

そんな複雑な要素をきちんと捉えながらも、この「自由に生きたい」という気持ちを応援してくれているのではないか、と思う(=だから「響く! 」と思う)のが、これからご紹介する3つの広告です。

「期限なんてない」SKⅡ

Reference:YouTube

漠然と感じる「30歳」という年齢の壁。
なにかにチャレンジしたくても、目の前の壁に足がすくんで、「いまさら遅いのではないか。諦めた方がいいのではないか」と尻込みしてしまうことがあります。

しかしその壁は、世の中というフィルターを通して、自分自身で作り出している幻であると思い知らされます。

「年齢に縛られる必要なんてない」
「誰かに決められた期限なんてない」

動画のラストに込められたこの2つのメッセージ。本当はわかってはいるけれど、なかなか一歩を踏み出せなくて・・・みたいな気持ちを抱えていて、グサリときた人もいるのではないでしょうか。

言い切ることばは、逃げ道がなくなります。届くけど、届きすぎて怖い。はっきり言うと、嫌われてしまうかもしれない。しかも、企業としてメッセージを発信する以上、そのことばが受け入れられるか、受け入れられないかによって、企業のイメージも変わってしまうかもしれない。

広告コピーには、そんなリスクもあります。

でも、SKⅡがあえて誤解を恐れずに、このメッセージを出した理由。それは、きっと、SKⅡが掲げる「すべての女性に美しい素肌を」という夢に関係があるのだろうと思います。

誰かに決められた期限を気にせず、前を向いている人は、美しい。何かにチャレンジするその清々しい横顔は、見ていて胸を打たれる。美しさは、その凛とした姿にもにじみ出るものなのだ。きっとそういうことをSKⅡは伝えたかったのだと思います。

年を重ねるたび自然と諦めていたこと。ひとつ。またひとつ。もう一度始めてみよう。自分ときちんと向かい合ってみよう。そんな気持ちにさせてくれるコピーでした。

次にご紹介したいのがこちら。

「この国には、幻の女性が住んでいる」リクルートPOLA

Reference:YouTube

ポーラ・リクルートフォーラムのCMです。
このCMのひとつ前、「この国は、女性にとって発展途上国だ」ということばから始まる第1弾でも賛否両論があり話題になりました。ナレーション、コピーの全文がこちら。

この国には、幻の女性が住んでいる。

世間が、そして私自身が作った幻想。

誰かの“そうあるべき”が重なって、私が私の鎖になりそうになる。

縛るな。縛られるな。

翼はなくとも、私は、飛び立てる。

「これからだ、私」

このことばは、一個人として、まさに、「ずっと思っていたことだ! 」と思いました。

自分はいったい、誰に認められたくて生きているのだろう。誰のために生きているのだろう。誰かの人生を生きるのではなく、自分の人生を生きていきたいのに。そんな現状の様々な問題への悩みに向けられた、芯のあることばが並んでいます。

そして、最後のメッセージ、「これからだ、私」

シンプルだけど、未来へのポジティブさを感じる、力強いコピーですね。
まるで自分が自分自身を励ましているような気持ちになります。就職や転職という、自分自身の「これから」を発掘するリクルートフォーラムのコピーとしてもとても秀逸だと思います。このコピーに勇気付けられた女性は多いのではないでしょうか。

最後にご紹介するのはこちら。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」 ゼクシィ

2017年のゼクシィのCMです。
・・・すみません。こちらは動画が見つからなかったので、文字のみです。

70億人が暮らすこの星で結ばれる。珍しいことではないけど、奇跡だと思った。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。

結婚している、していない。そのどちらの人生も否定しないでいながらも、結婚することの素晴らしさを感じさせるところに、多くの共感や賞賛が集まった広告コピーです。

そして、私が思うのは、先にお話した、「自由に生きたい」という気持ちとも結びつくのではないかということ。
結婚も恋愛も、色々な形がある。そんなたくさんの選択肢にあふれた世の中に、私は、「あなたと結婚する」ということを選ぶ。

何かを選ぶことは、怖いことです。だって、選ぶということは、他の選ばなかったものの可能性を捨ててしまうことになりそうだから。

結婚することも、しないことも、選択。結婚を選ぶことで、自分が納得する方向へ舵を切り、自由を作っていく。そういう決断の力強さをも感じさせるコピーだと思いました。

さいごに

広告コピーは、誰もが一度は経験したことのあるような、心の奥の懐かしさを思い起こさせるようなコピーだったり、詩のように美しいコピーだったり、時にはズバッと切り込んだ方がいい時もあるし・・・など、いろいろな伝え方があるし、どれもその時々に合ったアプローチとして大切だと思います。

でも、思い悩むことが多いいまの自分の胸にグッときたのは、今回ご紹介したようなシンプルで強いコピーでした。

ことばは強い。
たった1行のことばに奮い立たせられる時がある。なにかを思い立つ決心をくれる。諦めかけてたこころに力を与えてくれる。ことばにはそんな力があると思うのです。

そして、広告コピーは、不意打ちだからこそ、そのことばが何倍にもなって響く。

まだまだひよっこコピーライターではありますが、これからも「気持ち」をしっかり見極め、ことばを紡いでいきたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!