朽木誠一郎が教える、誰でもライター時代だからこそ必要な「いい文章」とは?

はじめに

2018年7月8日午後6時、六本木にあるDMM.com本社にて朽木誠一郎さんの講義は始まった。
『文章なんて誰でも書ける』時代に、ライターはどんな文章を書いたらいいんだろう? と題した講義は、サザエさんを観ながら月曜日を待つよりも、何倍も充実した時間となった。

講師の朽木誠一郎さんについて、簡単に紹介させていただく。

1986年生まれ、茨城県出身。幼少期より書くことに興味がありつつ医学部医学科へ進学。大学時代から投稿型サイトに記事を書き始める。卒業後、新卒でメディア運営企業に就職。ライターのほか編集者も経験し、現在は皆に正しい情報を伝える医療記者として活動中。ビジネス寄りでオールジャンルの文章を書くことができるという強者。

そんな朽木さんと一緒に考えるのは、いい文章ってなんだろう? という大きな問いだ。
文章なんて誰にでも書けるけれど、いい文章は誰にでも書けるわけじゃない。
講義のなかで、「素人」から「プロ」になるために朽木さんから伝授されたいい文章の条件は4つ。

・わかりやすい文章
・適度なホスピタリティーがある文章
・ポジティブな感情設計でコンバージョンする文章
・背景をもった文章

この4つをしっかり押さえ、皆でプロの文章を書こうではありませんか!

「わかりやすい」は磨ける!

いい文章の最低限かつ必須の条件は、わかりやすい文章であること。
良い文章には才能やセンスも求められるけれど、まず磨くとしたらここ。
しかも朽木さんは、独自に研究を重ねたわかりやすい文章のコツをシェアしてくださった。
ドドーン!!!

皆さん、これはメモである。
もともと日本語の文型は、いたってシンプル。

・SがVする
・Sがいる/ある
・SがCだ
*Sは主語、Vは動詞、Cは補語(状態を表すもの)

この3つしかない。シンプルはわかりやすい。

書いている最中の自分では「どこに落とし穴があるのか」はわからないもの。
だからこそ冷静に、これはわかりやすい文章か?と常に自問自答すること。
わかりやすい文章にしたいなら、声に出して読むこと。
当たり前を徹底してこそ、プロ。

ホスピタリティーのある文章=読者目線の文章

ホスピタリティーとは、おもてなしの心。
先述のわかりやすさにも繋がるが、どんな内容でも読者目線で書かれた文章は自然と伝わると朽木さんは言う。読者目線を学び、文章力をアップさせるためには、筋の良い編集者と関わることが重要ともおっしゃっていた。

編集者は読者目線の代表者。自分の原稿を読んでもらい、優れた編集者と一緒に記事を作るなかで学ぶことは多いそうだ。ただ、どこに優秀な編集者がいるのかわからないことも多いため、自分なりに最低限のチェックポイントは持っておいたほうがいいとのこと。
良き師匠を見つけること。これも、プロのライターへの1つのミッションなのかもしれない。
朽木さん! 次は是非、編集者との出会い方を教えてください!!

コンバージョンする文章で気をつけること

コンバージョンとは、今までの講義でも何度も使われた言葉だが、制作者側の意図した行動に読者が結びつくこと(購入する、閲覧する、サイトに愛着を持つなど)を指す。

コンバージョンする文章が重要視される今、気をつけなければいけないこと。
それは、ネガティブな感情を煽らないこと

時として、ネガティブな感情はポジティブよりも人を動かす。しかしそれは、短期のコミュニケーションにすぎない。「危ないよ?」「死ぬよ?」などといつも脅かしてくる友人なんて嫌でしょ?それよりも「うれしい」「楽しい」「大好き」といった夢が叶いそうな(笑)、ポジティブな感情で心を動かし、持続可能なコミュニケーションを築こう。そして、行動するかどうかの選択は読者の手に委ねよう。

文章はコミュニケーションだからこそ、フェアで信頼できる関係を築ける文章こそがコンバージョンへの確かな道なのだ。

仕事を引き寄せる課題

今回の課題は、これ。

それぞれが書き込んだ課題に、朽木さんが講評をつけてくださった。そのコメントすべてが素晴らしかったので、お仕事募集のコツとして簡単にまとめて列挙してみる。

・自分の得意を簡潔かつ具体的に伝える
・どんな仕事を募集しているのか明確にする
・一緒に仕事をしたいと思わせるのが、コンバージョンだと意識する
・プラットフォームへの理解を深める
・SNSの選択は、自分の状況に合わせ的確に行う
・見やすくするためのちょっとした工夫を惜しまない

お仕事募集は自分の力量をはかられる機会でもあるので、気にするべきポイントが思った以上にたくさんあるようだ。募集することは、そのことで食っていく覚悟を決めることともいえる。ライターになりたい私たちに夢を引き寄せるノウハウを教えるために、この課題を出してくださったのだと感じた。

知りて害をなすな

朽木さんが講義の中でもっとも熱を込めて話していたのは、情報発信には責任が伴うということ。
思ったことを言っただけ、知らなかった、では済まされない。忙しいから、頼まれたからと、思考停止していい加減なものを書いてはいけない。
文章を書くときは、インプット>アウトプットを忘れないこと。
背景のある文章を書くこと。

表現されるのは、氷山の一角。書くためには、綿密な取材や準備が不可欠。これができて初めて、プロのライターなんだと朽木さんは語る。分かりやすい文章やコンバージョンする文章は、プロの本質ではなく底上げしてくれるものだと。

自分自身が知っていることで他人に迷惑をかけないこと。
そこには前提として、知る必要があることを忘れてはいけない。

さいごに

今回の朽木さんの講義は、明日のライターゼミ2期・第7回目の講義だった。
全12回のゼミなので、ちょうど折り返したところだ。前半戦、個性豊かな講師の方々から多くを学び実践していく中で、なんかうまくいかないと感じることが増えた人も多いはず。

私は今、まさにその状態にある。知識はあるのに身体がついてきていないような、遠くからはよく見えていた山の頂上が、登り始めた途端に見えなくなって不安になるような、もどかしい時期。

中学生のころ、保健体育の授業で学んだプラトーやスランプについて思い出す。上達過程において停滞を感じる時期があるのは自然なこと。突破するには的確で到達可能な目標を設定し、計画を立てるべし! というものではなかっただろうか。
朽木さんの講義は、迷いながらも上達を目指す私たちの杖となる、心強い学びに満ちたものだった。

雨ニモマケズ 風ニモマケズ
コノ夏ノ暑サニモマケズ

よく調べ
決して嘘をつかず
いつも疑問をもっている

わかりやすい文章を書くことへの努力を惜しまず
読者の存在を忘れない

サウイフモノニ ワタシハナリタイ

朽木誠一郎さん、ありがとうございました!!

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