「ライターは『新しい』を生む公式を過去から盗め」と西島知宏は言う

 

明日のライターゼミ設立者現る

 

明日のライターゼミ講義中、あるお題に基づいてキャッチコピーを作る課題が出た。

 

 

明日のライターゼミとは「言葉を発信する手法が多様化した現代において10年後、20年後も書く仕事をするために、ライターの競争力を強化する場」として始まった講座である。

これまで第1期、第2期と開催され、

そしていよいよ第3期が2018年10月6日に始まった。
最初の講義を担当するのはゼミ設立者、西島知宏さんだ。(以下西島さんと呼ぶ)

 

西島知宏
2003年電通入社、コピーライター・CMプランナーとして勤務。2007年退社し、BASEを設立、奈良新聞社取締役就任。2015年、Webメディア「街角のクリエイティブ」を立ち上げ編集長に就任。著書『思考のスイッチ~人生を切り替える11の公式~』は日韓で発売。ニューヨークフェスティバル、スパイクスアジア、アドフェスト、TCC賞など国内外で受賞歴を持つ。

 

書く仕事の未来をどう考えているのか。

どうやら冒頭で紹介した講義課題にヒントがあるようだ。

 

笑いあり、学びありの講義を振り返る。

 

 

記憶に残る言葉に学ぼう

 

 

西島さん「このコピーは自分の中でもTOP3に入る名作なんですが、どこが良いと思いますか?」

 

 

皆さんはコピーを見て何を感じただろうか。

1つの捉え方として<『四十歳』をポジティブに変えたコピー>と見ることができる。

四十歳というと、おじさんおばさんと呼ばれ始める年代であり一般的にはネガティブなイメージを持たれがちだ。しかし『二度目のハタチ』を添えることでポジティブな意味合いに変化を遂げている。

言葉は既存にあるイメージを変化させる力をもつ。

 

また「地図に残る仕事」

 

 

このコピーも「目の前の仕事から人類の歴史に残る仕事」へと再定義することで、建設業に対する一般的なイメージに変化を与えている。

 

西島さん「読む前と読んだ後で何か変化を与える言葉を作って欲しい」

 

 

西島さん「読む前と読んだ後で何かが変わっていないと存在価値はない」

これは第1期からゼミ生に伝え続けている考え方であり、私が最も心打たれ、記憶に残った言葉でもある。

 

 

記憶に残る言葉をどう学ぶか

 

西島さん「アウトプットの模倣でなく表現の核の模倣をしよう」

 

 

世の中、新しいとされているものは既存のものと比較して相対的に新しい。
即ち、新しい優れた作品を生むためには過去の優れた作品から『盗む』必要がある。

 

 

 

このように過去の偉人たちも『盗み』、相対的に新しいものを産み出してきた。

クリエイティブに『盗み』は不可欠である。
では何をどうやって『盗む』のか。

作品やアイディアを因数分解し一般化、抽象化することで方法論を『盗む』のである。

例えば、先ほどの「四十歳は二度目のハタチ」を因数分解すると、

 

(ネガティブをポジティブに再定義)✖️(四十歳)

 

となる。また「地図に残る仕事」なら

 

(価値の最大化)✖️(建設業)

 

と因数分解できる。即ち、どの優れた作品やアイディアにも

 

(作品、アイディア)=(方法論)✖️(テーマ)

 

という式が成り立つ。

 

 

この《ネガティブをポジティブに再定義》、《価値の最大化》に当たる方法論を導き出し、『盗む』ことが重要なのだ。方法論を大量に持っているからこそ、新しいものを生み出すことができる。

常に心を打たれた作品を因数分解し抽象化する努力を惜しまないことだ。

「過去の優れた作品の根っこにある考え方やアプローチの仕方を知らず、新しいものを生んだ気になっているのは危険です」

と西島さんは言った。

 

 

(方法論)×(テーマ)という公式から「新しいもの」を導き出す

 

冒頭の課題をもう一度見てみよう。

 

 

ここまで読んだ人なら課題に込められた思いが分かるだろう。

読む前と読んだ後で何か変化させるきっかけを与える言葉こそ、西島さんが言う目指すべき作品である。

さて課題に対しゼミ生が作ったコピーの中で最も評価された作品をご紹介する。

 

 

【自分が選ばない情報にこそ自分を変える言葉が潜んでいる】

 

菊池 由希子さんが作ったコピーだ。

 

 

菊池さん「価値の最大化を頭に入れて書いたコピーです。WEBだと自分の好きな記事ばかりを読んでしまうけど、新聞だと朝ごはんとか食べているときに何となく小さな記事でも目を向ける機会があると思い、それを言葉にしました。」

新聞を最も読むであろうターゲットのインサイトに働きかけ、行動化させる力を秘めたすばらしいコピーである。

このように(方法論)✖️(テーマ)の公式を利用すれば、過去の優れた作品の要素を含んだ、新しい作品を作ることが可能となるのだ。

 

 

西島知宏こそが人に変化のきっかけを与える

 

 

西島さん「記憶に残る、のその先とは?」

 

 

「記憶に残り、何度でも読み返したくなる文章こそ、『記憶に残るの先』である。そのために『一行の言葉』を大切にしてほしい。この一行を読みたいから読むと思われることが大切」

と西島さんは述べた。

 

ここでふとある考えが浮かんだ。

確かに一行に惹かれ、何度も読み直したいがために本を買ったり、線を引いたり、どこかにメモすることがある。

でも自分の場合、言葉だけに惹かれているわけではないのかもしれない。

生み出した人の人間性や言葉が生まれるまでのストーリーなども含めて、その一行に惹かれるのだと思う。
また人に変化を与える力や魅力を備えているからこそ、心を打つ言葉を生み出せるとも言える。

それは、私が明日のライターゼミ第3期に参加した理由にも関係する。

 

 

私は第1期、第2期に参加したが、第3期への参加も即決した。

理由はゼミのコンテンツにあるわけではない。

なぜなら明日のライターゼミで学ぶべき考え方は基本的に1つの期間でインプットできるからである。それほど非の打ち所がない内容なのだ。

従って第1期、第2期共に参加した私にとって、インプットという点では既に十分と言ってよい。

それでも第3期への参加を即決した理由は、もう一度西島さんが言う「読んだ後にその人の行動を変える作品を作ろう」という一行に出会いたかったからである。

その一行自体はこれまでも繰り返しゼミ生に伝えているので、講義メモを見返せば良いわけだが、

そうではない。

西島さんが直接言う言葉だからこそ「私にとって」価値があるのだ。



 

西島さんに出会う前と後で私の行動、考え方は確実に変わった。

私は普段、精神科医として仕事をしながら、教育関連のメディアを運営している。

当然、自分の仕事にも大きな変化が起こったし、さらにはこうして書く仕事を頂けるのもゼミを受講するまでは全く想像していなかったことだ。

変化するきっかけとなった西島さんの言葉は私にとって特別である。その言葉にもう一度触れることで再度自分に変化を起こし、今よりもっと前進したい

という強い気持ちから参加を決めた。

 

「一行を大切にしよう」というのはそういうことなんだと思う。

 

 

第3期も多方面で活躍されている講師陣が参加者に変化のきっかけを与えるのだろう。
参加者一人一人にどんな変化が生まれるのか。

非常に楽しみである。

 
引き続き、明日のライターゼミ「2018・秋生」を募集中です。ご興味のある方は募集ページにアクセス下さい。
明日のライターゼミ 2018・秋 募集ページ

 

Photo by くりこ(@KURICOPY

ABOUTこの記事をかいた人

公受裕樹

金沢大学医学部医学科卒。高校3年間で100冊以上の参考書を学ぶ。大学では教育に興味を持ち学習塾を設立。現在は、精神科医と並行し「勉強方法辞典」、「ペンペン先生」を運営。全国の学生に勉強方法を伝えるべく活動中。