「言葉が武器にならない仕事はもはや存在しない」と細田高広は言う

最高の講義だった

こんにちは。精神科医の公受です。今回の明日ゼミ講義レビューは皆さんに伝わりやすくシンプルに書いていこうと思います。

もう一言でまとめちゃいます。いきますよ。

「全てにおいて最高だった」

これです。おーけい。シンプルイズベスト。
もう少し詳しく言うと

「話がおもしろくて、明日から使える情報満載な講義が、明日のライターゼミで12月14日に行われました」ってな感じです。

講師は細田高広さんです。

 

 

細田さんはバリバリお仕事されている方でコピーライター業界でもトップクラス。本も出版されており、アマゾンには以下の通りに著者紹介されています。

 

 

細田高広(ほそだ・たかひろ)
一橋大学卒業後、博報堂にコピーライターとして入社。Apple、Pepsi、adidas、Nissanなどのブランド戦略を手がける米国のクリエイティブエージェンシーTBWA\CHIAT\DAYを経て、TBWA\HAKUHODO所属。クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト、カンヌライオンズ、CLIO賞、ACC賞グランプリ、東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、ロンドン国際広告賞など国内外で受賞多数。通常の広告制作業務だけにとどまらず、経営層と向き合って数々の企業のビジョン開発に携わるほか、経営者のスピーチライティング、企業マニフェスト、ベンチャー企業支援、新規事業や新商品のコンセプト立案などを手がけてきた。「経営を動かす言葉」「未来をつくる言葉」といったテーマで学生への講義や社会人への講演も行っている。経営と言葉という、今まで無視されがちだった領域に光を当てる、クリエイターとしては異色の存在。
amazonより引用

 

Appleあたりから頭がついていけなくなるような実績。

『非の打ち所がない』とはこのことです。

 

具体例と実践を交えた、あっという間の120分

なんといっても細田さんのお話が本当におもしろい。具体例を多く用いながらテンポよく次々と話を進め、何度も会場を沸かせます。

 

<講義中の具体例>

  • 「老人力」という言葉がもたらした功績
  • 「産後クライシス」という言葉が産後女性の現実を世に伝えた
  • 「婚約指輪はお給料三ヶ月分」という言葉が日本の婚約指輪を購入する文化を築いた
  • 店の張り紙にある「10分ほどで戻ります」の不自然さ
  • ウォシュレットの広告「おしりだって洗ってほしい」が成し遂げた偉業
  • 「5GBのMP3プレイヤー」VS「ipodで1000曲をポケットに」
  • 土用の丑の日にうなぎを食べるようになった理由

 

また実践も適度に交え、ゼミ生を飽きさせないんです。

 

 

<講義中の実践>

  • 青森まで行きたい人がヒッチハイクで成功率をあげるには?
  • ダイニングテーブルをラベル外してみよう
  • 銭湯に新しいお客さんを呼び込むコピーは?

 

ここで講義中行った実践の一つをご紹介します。

 

【次のお題に答えてください】

 

 

さて、いかがでしょうか。

おそらく私も含めて多くの人が「全ての講師、紛争和解会議へ派遣」などの言葉を思いついたことでしょう。しかし理想の見出しは

 

 

なのです。

ターゲットは学生であり、学生が一番知りたい情報とは一体なんでしょうか。皆さんも必ず経験したことがあるはず。それは「授業があるかどうか」。台風でもいいんです。インフルエンザの流行でもいいんです。とにかく、授業がなくなるのか、学校に行く必要がなくなるのか。これこそ、学生が最も知りたい最重要な情報です。相手目線になり、必要な情報を伝えることがいかに難しいかを実践を通して知ることができました。

 

 

このように細田さんのお話は具体例や実践を用いてゼミ生がイメージしやすいように工夫されており、120分の講義はあっという間に終わりました。

そもそも明日のライターゼミはどの講義も120分があっという間に感じてしまうほど、密度の濃いものなんです。終わった瞬間、アンコールを叫びたい衝動にかられます。それだけの実力派の講師陣がそろっている点もゼミの素晴らしいところなんですね。

 

明日から実際に使える情報満載

明日のライターゼミというだけあり、今回も「明日」から実際に使えるお話がたくさんありました。

<明日から使える情報>

  • この言葉で何を解決しようとしているのかを常に考える。
  • 同じ情報を両側面で言い換える
  • 言葉から何かを生み出す
  • 切り口を広げる方法はラベル剥がし

 

この中でも「ラベル剥がし」は何か物の見方を変えたい時に非常に効果的な技術です。やり方自体は簡単で、ラベルを剥がしたい対象を、その名前を使わず主語述語を含んだ文章で説明するというものです。

講義では先ほどもご紹介した「ダイニングテーブル」のラベルを外す実践を行いました。

 

 

皆さんはどんな説明をしましたか。ゼミ生は以下のように説明し、発表しました。

「犬や猫が噛んでも傷つかないもの」
「親父と腕相撲する場所」
「おばあちゃんが可愛い寄せ植えをかざる場所」
「おばあちゃんが話をきいてくれる場所」
「子供が落書きを書くところ」
「両親が共同作業する場所」
「母が服にアイロンをかける場所」
「家族が喧嘩する場所」
「子供が踏み台にする場所」

このように、ラベルを剥がすことで、ダイニングテーブルの意外な側面に目を向けることができ、新しいコンセプトを生み出すことができます。面白いですよね。普段から何気ない物に対してラベルを外してみると新しい発見があるかもしれません。

 

気づいたら、広告を分析していた

ところで、細田さんの講義が自分にちゃんと刷り込まれていると実感した出来事がありました。ツイッターでこんな投稿を目にした時のことです。

 

 

どうですか。なんかいい感じの広告ですよね。
これを見た瞬間、「この広告はどんな課題を解決しているのか」と自然に考えるようになったのです。

例えば、

Netflixの課題は「会員を増やすこと」であり、人の心にある課題は「実家の年末年始は暇」(確かに暇)なので「Netflixで暇な実家の年末年始を有意義な期間にする」と提案する広告を打ち出したのかなぁ

なんてふと考えたりしたんです。

もちろん、さらに様々なデータを加え検証すると、広告のより深い狙いが見えてきます。ただ正解不正解の前に、自然に広告を分析すること自体が自分の中で大きな変化であり、そういった意味でも細田さんの講義は私にとって、腑に落ちるものだったんだなと改めて思いました。

このように、明日のライターゼミの講座は「明日から実践できること」をたくさん教えて頂ける、「今の自分を変える」のに適したゼミでもあるのです。

 

 

最後に:「これからのコピーライターはどうなるか」

細田さんはこの言葉で講義を締めくくりました。

「言葉をつくる」から「言葉でつくる」に変わってきている。

 

 

これまでは、商品が開発され、それを言葉で表現していました。しかし、今は言葉から始まり、商品開発がついてくるという逆転現象が起こっていると細田さんはいいます。

例えば、「お尻だって洗って欲しいの」は、ウォシュレットという新しい商品が開発され、そこから生まれた言葉です。しかし、もし現代においてウォシュレットがまだ存在していないとしたならば、おそらく誰かが「手は水で洗うのに、お尻も洗って欲しいよね」と何気なく言い放った言葉から、ウォシュレットが生まれることになったでしょう。

 

 

まさに「言葉でつくる」わけです。そしてすでに似たような現象がいろんなところで起こっています。

言葉で、プロダクトや建築、戦略、政治、会社も作ることができると言います。その職業はもはやコピーライターと呼ばれないのかもしれません。でも確実に言えるのは、「言葉を扱う仕事」の領域は拡大しているということです。

「言葉が武器にならない仕事はもはや存在しない」

 

 

この競争に私たちも参加しなければならない現実を教えていただきました。最後の最後まで熱いメッセージを私たちに送り続けてくれた細田さん。

最高の講義でした。ありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

公受裕樹

金沢大学医学部医学科卒。高校3年間で100冊以上の参考書を学ぶ。大学では教育に興味を持ち学習塾を設立。現在は、精神科医と並行し「勉強方法辞典」、「ペンペン先生」を運営。全国の学生に勉強方法を伝えるべく活動中。